時代祭の行列「室町時代」

京都時代祭の室町時代の行列についてご紹介します。室町時代の行列は室町幕府執政列室町幕府執政列と室町洛中風俗列で構成されています。
室町幕府執政列(むろまちばくふしっせいれつ)は、足利将軍の姿が見えます。馬上にいる足利将軍は鎧兜をつけていません。烏帽子に金襴という豪華な衣装をまとった軽装の小具足姿をしています。幕府の執政、三管領や四職に任ぜられる主要氏族をお供につけています。この行列には、公家や法中、御博士、医師など、他の時代行列では見ることができない登場人物も多く興味深い列となっています。
室町洛中風俗列(むろまちらくちゅうふうぞくれつ)は、16世紀の京の人々によって開催されていた風流踊りを再現しています。風流傘を中心として、子どもたちが扮する囃子方で構成された中踊りと、小袖姿で踊る側踊りを見ることができます。当時の風流踊りとは、男性のみであり、奇抜な仮装を着たり、女性用の派手な衣裳を身にまとって参加します。風流踊りは、全国各地に伝わってそれぞれの芸能を生み出したようです。現在の盆踊りの原型と言われていますので、発祥は京都だったのですね。
足利尊氏の行列は、以前はなかったもので、室町時代の行列は存在せず、近年、追加されています。「室町時代の追加を!」という声も多かったようですが、祭神の桓武天皇と孝明天皇を祀るものなので、逆賊と言われている足利尊氏の登場は時代祭のスタート時から、ずっと見送られていたそうです。近年、ようやく室町時代が加わったことで、やっと時代がつながったといえるでしょう。